仮想通貨の先物取引とは？やり方や税金・注意点について解説

仮想通貨の先物取引とは、 仮想通貨を将来売買することを約束する取引です。

先物取引では、証拠金を預けてレバレッジをかけられるため、少額から大きな取引が可能です。

しかし、レバレッジをかけられる分、リスクが大きいため運用に十分注意しなければいけません。

また、強制決済が発生する可能性があるため、取引を考えている方は先物取引について多くの知識が必要です。

本記事では、仮想通貨の先物取引について以下の内容を徹底解説します。

先物取引をご利用予定の方は、ぜひ参考にしてください。

今すぐ先物取引を試したい方は「海外仮想通貨取引所おすすめ比較ランキング10選【2024年最新】」で紹介している取引所がおすすめです。

仮想通貨で先物取引の基本的な仕組み

仮想通貨の先物取引は、価格を現時点で決めて将来売買することを約束する取引です。

取引の基本的な流れは以下のとおりです。

取引時点	将来
・取引価格を決定 ・証拠金を預ける ・レバレッジ倍率を設定	・価格が上昇→利益 ・価格が下落→損失 ・期日までに決済必要

証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金に対してどのくらい資産の余裕があるかを示したものになります。

数値が高いほど運用が健全な証拠であり、維持率はご自身で管理することが大切です。

先物取引の基本的な仕組み

仮想通貨の先物取引は、以下の3ステップです。

ステップ	内容
1. 価格決定	将来の売買価格を現時点で決定
2. 取引約束	決めた価格での売買を約束
3. 決済実行	期日までに取引を決済

将来の価格で損益が異なるため、売買価格を見極める能力が重要になります。

先物取引はある程度、取引の経験を積んだ方に適しています。

証拠金制度について

証拠金は先物取引の担保です。

証拠金維持率 = (預入証拠金 + 評価損益) ÷ 必要証拠金 × 100

以下のように維持率によって対応を変えなければいけません。

状態	維持率	対応
正常	100%以上	取引継続可能
要注意	100%未満	追証発生
危険	50%未満	強制決済の可能性

レバレッジの仕組み

レバレッジは証拠金を担保に、先物取引の取引金額を拡大する方法です。

以下のように、レバレッジの倍率に応じて取引可能額が異なります。

証拠金	レバレッジ	取引可能額
100万円	1倍	100万円
100万円	2倍	200万円

ロスカットとは、評価損が一定レベルに達したときにそれ以上の損失を防ぐため強制的に決済する制度のことです。

レバレッジの倍率に応じてリスクも大きくなるため注意しましょう。

限月取引の特徴

限月（げんげつ）は先物取引の期限を指します。

限月の種類によって決済期限が異なります。

種類	決済期限
週次限月	毎週金曜日
月次限月	月末最終金曜日
四半期限月	3・6・9・12月末

期限到来時の選択肢は3種類あるため把握しておきましょう。

仮想通貨の現物取引と先物取引の違い

仮想通貨の先物取引と現物取引は、取引方法や特徴が異なります。

以下の表は、先物取引と現物取引の違いを詳細に表したものです。

項目	先物取引	現物取引
証拠金	必要	不要
レバレッジ	最大2倍可能	不可
決済期限	あり	なし
取引方向	買い・売り可能	買いのみ

両者の違いについて解説するので、参考にしてください。

取引方法の違い

先物取引と現物取引の手順の違いは以下のとおりです。

価格変動リスクの違い

レバレッジに応じてリスクが増幅するため、先物取引のほうが変動リスクは大きいです。

取引タイプ	リスクの特徴	損失の範囲
先物取引	レバレッジによる増幅	証拠金以上の可能性
現物取引	価格変動のみ	投資額まで

先物取引では、証拠金以上の損失が出てしまうかもしれません。

現物取引のほうが初心者は扱いやすいです。

決済方法の違い

先物取引と現物取引の決済方法は以下とおりです。

決済方法	特徴	注意点
反対売買	最も一般的	手数料発生
期日決済	自動処理	価格変動リスク
現引・現渡	実物取引化	手続きが必要

仮想通貨の先物取引におすすめ取引所ランキング

仮想通貨先物取引で実績のある取引所を厳選しました。

取引所ごとの特徴を紹介します。

1位：Bybit

項目	内容
レバレッジ	最大500倍
取引手数料	0.005%~
取扱通貨	1,405種類
日本語対応	○

Bybitはの特徴は1,000種類以上の通貨を最大500倍で取引できることです。

そのため、少ない資金でも大きな利益を獲得できます。

先物取引を考えている方にBybitはおすすめです。

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2位：MEXC

項目	内容
レバレッジ	最大200倍
取引手数料	0%~0.02%
取扱通貨	2,586種類
日本語対応	○

2,500種類以上の通貨を扱っているため、さまざまな通貨で取引できます。

「マイナーコインを取得したい」「将来有望なトークンの取引に早期参入したい」方におすすめです。

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3位：Bitget

項目	内容
レバレッジ	最大125倍
取引手数料	0.02%~
取扱通貨	873種類
日本語対応	○

Bitgetはコピートレード機能と使いやすい取引ツールで評判があります。

経験豊富なトレーダーの取引をコピーできるため、初心者でも効果的に利益を獲得できます。

コピートレードに興味がある方におすすめです。

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4位：Bitmart

項目	内容
レバレッジ	最大100倍
取引手数料	0.02%~
取扱通貨	851種類
日本語対応	○

Bitmartの特徴は独自のIEOプラットフォームを提供する取引所であることです。

銘柄数も豊富であるため幅広い取引をしたい方に適しています。

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5位：Orangex

項目	内容
レバレッジ	最大200倍
取引手数料	0.02%~
取扱通貨	355種類
日本語対応	○

Orangexは、完全な日本語対応で24時間サポートが可能です。

また、カスタマーサポートが速い特徴もあります。

取引において日本語対応を重視している方は利用してみましょう。

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仮想通貨で先物取引の始め方

仮想通貨先物取引は、以下の手順で始められます。

口座開設方法から取引開始までの流れを説明するので、参考にしてください。

取引所の口座開設方法

先物取引を始める際は、始めにメールアドレスを入力して会員登録する必要があります。

手順	必要書類・情報	所要時間
1. 会員登録	メールアドレス	5分
2. 本人確認	身分証明書	1〜2日
3. 二段階認証設定	スマートフォン	5分

不鮮明な場合、本人確認に時間がかかる可能性があるため注意してください。

証拠金の入金手順

証拠金の入金には以下の3つのやり方があります。

入金方法	手数料	反映時間
銀行送金	無料〜数百円	数時間
クレジットカード	3〜5%	即時
仮想通貨送金	ネットワーク手数料	10分〜1時間

ご自身の入金額だけでなく、手数料も確認しておくと総費用を把握しやすいです。

取引開始までの流れ

取引開始までの流れは、以下の3ステップです。

ステップ	実施内容	重要ポイント
1. 取引画面の選択	先物取引画面へ移動	取引タイプの確認
2. 証拠金の配分	取引資金の設定	レバレッジ倍率の決定
3. 注文設定	価格・数量の入力	スリッページの確認

レバレッジ倍率を決めてから価格や数量を入力します。

デモ取引で実際の流れを十分に理解しましょう。

仮想通貨で先物取引のメリット

先物取引は、レバレッジによる取引規模の拡大をはじめ多くのメリットがあります。

ひとつずつ解説するのでご覧ください。

少額から取引可能

以下のように、取引所によって最小取引額は異なりますが、先物取引は小額から利用できリスクを分散できます。

取引所	最小取引額	必要証拠金(2倍の場合)
Bybit	1万円〜	5,000円〜
MEXC	5,000円〜	2,500円〜
Bitget	3,000円〜	1,500円〜

実際の取引に慣れていない方の練習としても最適です。

関連：仮想通貨やビットコインの少額投資は儲からないの？BTCを500円分買ってみた筆者が解説

価格下落時も利益獲得のチャンス

先物取引では、売りポジションを活用して価格が下落しても収益を獲得できます。

売りポジションとは手仕舞いされずに、未決済のまま残っている約定のことです。

相場状況	取引手法	利益機会
上昇相場	買いポジション	価格上昇分が利益
下落相場	売りポジション	価格下落分が利益

損失を確定するストップロス設定を忘れないようにましょう。

ヘッジ取引として活用可能

ヘッジ取引とは、現物の価格変動リスクを軽減するために先物で反対のポジションを取ることです。

以下のように、保有資産によってヘッジ方法は異なります。

保有資産	ヘッジ方法	効果
現物BTC	同額の売り先物	価格下落リスクを軽減
円建て資産	買い先物	価格上昇リスクを軽減

先物取引は、ヘッジ取引としても活用できます。

例えば、円建て資産を買い先物すれば価格上昇リスクを軽減できます。

先物をうまく利用することが大切です。

レバレッジによる取引規模の拡大

以下の表は、レバレッジに応じた取引可能額を表したものです。

証拠金額	レバレッジ	取引可能額	必要証拠金率
10万円	1倍	10万円	100%
10万円	2倍	20万円	50%

利益が拡大する一方で、損失も拡大することを忘れないでください。

関連：レバレッジ100倍の仮想通貨やビットコイン取引所は？実際にやってみた僕が証拠金計算も解説

仮想通貨で先物取引のデメリット

先物取引にはデメリットもあるため注意しましょう。

主なデメリットを解説するので、参考にしてください。

レバレッジによる損失リスク

以下のように、レバレッジをかけると価格の下落に応じて損失が拡大します。

取引条件	価格変動	損益率
レバレッジ2倍	10%下落	-20%
レバレッジ2倍	25%下落	-50%
レバレッジ2倍	50%下落	-100%

レバレッジの倍率が大きいほど価格が下落したときの損失が大きいです。

リスクが高いことも把握しましょう。

強制決済の可能性

強制決済とは、投資家が保有するポジションを強制的に売却し損失をカバーすることです。

強制決済の発生条件は、主に以下の3つになります。

発生条件	対応方法	影響
証拠金維持率50%未満	追証の入金	ロスカット
限月到来	期日前決済	自動決済
追証未解消	証拠金の追加	強制決済

強制決済を回避するためには十分な証拠金を確保したり、維持率に余裕を持たせたりすることが大切です。

手数料コストの発生

先物取引をすると、以下の3つの手数料が発生します。

手数料種別	発生タイミング	コスト目安
取引手数料	売買時	0.02〜0.07%
資金調達手数料	ポジション保有時	日々変動
スリッページ	約定時	0.1〜0.5%程度

先物取引する際は、必ず手数料も考慮して取引しましょう。

仮想通貨で先物取引の主な用語解説

建玉とは

建玉は「たてぎょく」と言い、先物取引で未決済のポジションのことです。

建玉には、以下の2つの種類があります。

建玉の種類	意味	利益が出るケース
買い建玉	上昇を予想して購入	価格上昇時
売り建玉	下落を予想して売却	価格下落時

買い建玉と売り建玉を利用すれば異なる取引戦略を立てられます。

追証とは

追証（おいしょう）とは、営業日終了時点で純資産が建玉必要証拠金の合計額を下回った場合に追加しなければいけない証拠金のことです。

状況	必要な対応	期限
証拠金維持率100%未満	証拠金の追加	24時間以内
評価損の拡大	ポジションの縮小	即時対応
未解消の場合	強制決済	自動執行

事前に対応方法を考えておくと安心できます。

ロスカットとは

ロスカットは損失拡大を防ぐための自動決済システムです。

取引所ごとのロスカットの基準は以下のとおりです。

取引所	ロスカット基準	決済方法
Bybit	維持率50%未満	全建玉決済
MEXC	維持率50%未満	一部決済
Bitget	維持率50%未満	全建玉決済

維持率が50％未満になるとロスカットされやすい点を把握しておきましょう。

資金調達率とは

資金調達率とは先物でポジションを保有する際に発生する費用です。

ポジション	金利の性質	発生タイミング
買いポジション	支払い/受取	8時間ごと
売りポジション	受取/支払い	8時間ごと

長期保有を考える場合は特に注意が必要です。

仮想通貨で先物取引に関するよくある質問

先物取引におけるよくある質問に回答します。

詳細に解説するのでご覧ください。

先物取引の証拠金はいくら必要？

以下のように、先物取引の最低証拠金は取引所によって異なります。

取引所	最低証拠金	推奨証拠金
Bybit	5,000円〜	10万円〜
MEXC	2,500円〜	5万円〜
Bitget	1,500円〜	3万円〜

初心者は、最低証拠金の3倍以上を目安に用意しましょう。

追証が発生した場合はどうする？

追証が発生した場合、証拠金を追加したり建玉を決済したりする必要があります。

対応方法	メリット	デメリット
証拠金の追加	ポジション維持可能	追加資金が必要
建玉の決済	追加資金不要	損失確定
一部建玉の縮小	リスクの軽減	利益機会の減少

24時間以内に対応しないと強制決済の対象となりますので注意してください。

ロスカットを回避する方法はある？

ロスカットを回避するには、以下の対策があります。

対策	実施タイミング	効果
証拠金の余裕を持つ	取引開始前	維持率の安定
レバレッジを抑える	ポジション開始時	リスクの軽減
分散投資	常時	リスクの分散

証拠金維持率を100%、特に120％以上にするとロスカットを回避しやすいです。

取引時間に制限はある？

以下のように、大手仮想通貨取引所は取引時間に制限がありません。

取引所	取引時間	メンテナンス時間
Bybit	24時間365日	定期メンテナンスあり
MEXC	24時間365日	不定期メンテナンス
Bitget	24時間365日	定期メンテナンスあり

しかし、取引所ごとに定期的なメンテナンスがあります。

メンテナンス中は取引できないため注意しておきましょう。

まとめ

先物取引の特徴は以下のとおりです。

項目	ポイント
取引の特徴	レバレッジ活用可能
リスク管理	証拠金維持率の管理
取引所選び	信頼性と使いやすさ

リスクに注意しながら先物取引を活用してみてください。